アロマテラピーとは何なのでしょうか。

アロマテラピーは、植物の香り(精油)を使って、心や身体の不調を改善して、健康維持に役立てる療法です。 つまり 「 アロマ = 芳香 」 と 「 テラピー = 療法 」 が組み合わさった造語です。

それでは、アロマテラピーには欠かせないエッセンシャルオイル(精油)とは、一体どんなものなのでしょうか。 精油とは、植物の花・葉・果皮、時には根っこや樹脂から、香りの成分=芳香成分を抽出し、凝縮したものです。その芳香成分が、鼻や皮膚から人間の身体の中に取り入れられる事によって、 身体や心のバランスを整えてくれます。

『 アロマ = リラックス 』と、心への作用をイメージする方も多いはず。もちろん精油は、心のバランスを整えます。精油を嗅ぐと脳内で、セロトニンやアドレナリンなどの神経伝達物質が 分泌されます。これらは心の安定や、ホルモンのバランスをコントロールする大事な物質です。精油の香りは、このバランスを整えることで、感情を安定させます。

また、感情が安定していると、病気にならない強い身体になるとも言われています。しかし、身体への影響はそれだけではありません。精油成分には、免疫を強化したり、体の各器官を刺激して、 働きを向上させる作用があることが知られています。例えば、ラベンダーは癒しの香りとして有名ですが、免疫を上げたり、肩こりなどの痛みをとるとも言われています。

このように、心の部分だけでなく、直接、身体にも働きかけながら、私たちの健康をよりよくするのを助けてくれるのです。人は自然の一部です。植物から抽出される精油が、 身体に良い影響をもたらしてくれるのも、うなずけますよね。しかも、とっても簡単に普段の生活に取り入れる事ができるものばかりです。植物のパワーをちょっとお借りして、 より豊かで健やかな毎日を過ごしていきましょう。

アロマの種類と効能 Essential Oil

  • Lavender ラベンダー Floral Type

    フローラル系:安眠効果があることで知られるラベンダー。他の精油となじみやすく、アロマテラピーでよく使われる精油の一つです。

    • ・心への効能
      自律神経のバランスを調整する働きがあり、ストレスや怒りを感じている心や、不安や心配を抱えた心を癒し、深くリラックスさせる効果があります。また、溜まってしまった感情を解き放つ作用もあります。押し殺して行き場のなくなった感情を解消してくれます。特に、人の目を気にして自分の気持ちを表現できずにいる人を助けてくれます。安眠効果があることでも有名で、就寝前にもよく利用されている精油です。
    • ・体への効能
      ラベンダーは150種類以上の効能がすでに認められています。鎮痛作用があり、頭痛や筋肉痛、胃痛、月経痛などの体のあらゆる痛みを緩和する効果が期待できます。また緊張の緩和は、神経性の緊張、不眠、高血圧、動機、頭痛、イライラなどを緩和します。更に、抗感染作用も優れていて、泌尿器や生殖器系、呼吸器系の感染症に効果的です。
    • ・精油のブレンド
      殆どすべての香りと相性が良いです。特にクセのある強い香りのものと合わせると、まろやかな香りに変わります。
  • Ylang Ylang イランイラン Oriental Type

    オリエンタル系(エキゾチック系):リラックス精油としても有名なイランイランは甘く陶酔させる、エキゾチックでフローラルな強い香りです。濃厚な香りは、リラックス作用や催渓があると言われており、性的感情を盛り上げる効果が期待できます。

    • ・心への効能
      気分をリラックスさせ、幸福感をもたらす効果があります。心を落ち着かせるとともに、精神を高揚させ、楽しさや喜びの感情をもたらします。自信を取り戻すことを促してくれますので、イライラや落ち着きのなさが和らぎ緊張から開放されます。女性的なエネルギーを高めてくれる性質もあります。
    • ・体への効能
      神経系の鎮静作用があり、熟睡を促します。その鎮静作用は動悸、高血圧、頻脈、てんかん症の発作などにもいいと言われています。古くから感染症にも使用され、殺菌消毒作用があります。イランイランは、催淫作用があり、女性ホルモンの調整や、生殖器系の不調改善にも役立つと言われています。
    • ・精油のブレンド
      イランイランはとても強い香りなので、少量をブレンドしてください。オリエンタル系、柑橘系の香りと相性がいいです。
  • Grapefruite グレープフルーツ Citrus fruit

    柑橘系:グレープフルーツは、スイートオレンジから作られた交配種です。ぶどうの大きな房の様に木になることからグレープフルーツと呼ばれるようになりました。また、学名の「paradisi」は楽園という意味です。香りが楽園のような幸福感を感じさせることから名付けられました。

    • ・心への効能
      自分自身に高望みをしすぎて、自己批判や罪悪感を感じてしまう人に効果的な精油です。自分を慰めるために食べ物やお酒に走る人に向いています。自己批判や欲求不満から生じる心のうっ滞を浄化し、気分を爽快にしてくれます。心に軽やかさをもたらし、今の自分に満足できる様になります。
    • ・体への効能
      冷やし、浄化し、うっ滞を除去する作用があります。余分な水分を出し、脂肪の分解を助けるので、むくみ、セルライト、肥満に効きます。血液の浄化作用は、リウマチ痛にも効果的です。動脈硬化や高血圧症の人にも向いています。イライラなどからくる暴飲暴食で疲れた胃の熱を冷まし、消化吸収を助けてくれる役割もあります。
    • ・精油のブレンド
      柑橘系の香りと相性がいいです。その他の香りにもとても合わせやすいです。
  • Peppermint ペパーミント Herbal type

    ハーブ系:ミントは様々な用途で用いられ、交配種も数多く存在します。古代エジプトでは宗教儀式に使われました。古代ギリシャやローマ帝国ではミントは生活の一部で、パウダーにしたものをベッドに振りまいていました。14世紀に入ると、歯を白くしたり、タバコに臭い消しとして使用されました。

    • ・心への効能
      活気と元気を与えてくれる精油です。集中力を高め、新しいひらめき力を与えてくれます。インスピレーションを欲している人にはとても効果的です。ペパーミントは繁殖力があり、交雑しやすい性質ということから、私たちに柔軟な考え方や、状況に応じた振る舞い、コミュニケーション力を与えてくれます。
    • ・体への効能
      体を温めた後、冷やし、爽快感をもたらす作用があります。その作用は、高熱、喉の腫れ、頭痛を伴う風邪、熱性の痰を伴う呼吸器系の不調等に効きます。また、消化器系に最も効果的な精油です。消化不良、胃もたれなどには最適です。また、脳を活性化し覚醒させるので、神経衰弱にも効果的です。
    • ・精油のブレンド
      清涼感を出してくれる香りです。ハーブ系、柑橘系の香りと相性がいいです。
  • Frankincense フランキンセンス Resin type

    樹脂系:オリバナム・乳香とも言われます。ウッディーとスパイシーが混ざり、僅かにすっきりした感覚が残る香りです。語源は、中世フランス語の「純粋」の意味と、ラテン語の「燻す」という言葉が合わさったものです。古くから神聖なものとして扱われてきたことがわかります。

    • ・心への効能
      フランキンセンスは、心の滞りをなめらかにし、心に静けさをもたらす作用があります。そのため、イライラや不安、心の乱れを落ち着かせてくれます。そして、世俗的なものに縛られてしまった感情や忘れられない過去から解放させてくれ、自己を高める手助けをしてくれます。呼吸を深め、心を静かにさせ、集中させるので、瞑想やヨガにも向いています。スピリットの世界へつながる香りとも言われています。
    • ・体への効能
      呼吸を深めるので、胸部の緊張を解いてくれます。それは免疫力の向上や、喘息・気管支炎などの呼吸器系の不調改善に役立ちます。また、神経系にも鎮静させながら緩やかに強壮する、優れた機能があります。それは抗鬱や、鎮痛作用につながります。リウマチ、腹痛、月経痛などにいいと言われています。
    • ・精油のブレンド
      柑橘系、フローラル系の香りと相性がいいです。
  • Cedarwood シダーウッド Tree type

    樹木系(グリーン系):ウッディー調の香りにほのかな甘さとバルサム調が混ざった香りです。シダーは聖書にも登場します。レッドシダーは精神力の強さを象徴します。針葉樹で、とても幅広い種類を指します。そのため、精油にも色々な種類があります。

    • ・心への効能
      意志を強く持つことをサポートします。周りの状況によって、ショックや疎外感を感じることがあっても、意識を安定させ持ちこたえさせてくれる力があります。決意を固めたり、意識を強く持ち、自分の軸をしっかりさせたい時にも効果的です。
    • ・体への効能
      主に強壮作用があります。神経衰弱や集中力の欠如に効果的です。泌尿器系の感染症や呼吸器系の不調にも向いています。リンパの流れをよくするので、脂肪の蓄積を防ぎます。セルライトやむくみにも効果的です。過剰な皮脂分泌を抑えるので、スキンケアはニキビ肌や脂性肌の人に向いています。それは頭皮にも有効で、皮脂分泌の調整や、脂性肌が原因のフケ、脱毛の防止などの効果が期待できます。
    • ・精油のブレンド
      オリエンタル系、樹木系の香りと相性がいいです。
  • Clove クローブー Spice type

    スパイス系:花蕾の形から、ラテン語の「釘」という言葉が名前の由来になっています。中世ヨーロッパでは、金と同等に扱われるほど高価なものでした。クローブは、樹高10~15m程になる、常緑の中高木です。100年近く生きる植物です。

    • ・心への効能
      気分が落ちている時に、気持ちを明るく高揚させてくれます。今の状況を変えるための行動力とパワーを与えてくれます。記憶力を高める作用もあります。
    • ・体への効能
      基本的に体を温める作用があります。主に消化器系の不調に効果を表します。胃腸を温め、消化不良、下痢など、冷えが原因の胃腸トラブルに効果的です。胃腸の不調からくる口臭も改善してくれます。また、冷えによる関節炎やリウマチにも効果的です。ニキビやあざ、ただれ、水虫にいいと言われています。創傷を改善させる働きがあります。
    • ・精油のブレンド
      ハーブ系、柑橘系、スパイス系の香りと相性がいいです。
  • 精油の7つの香りの系統

    精油は香りの系統を大きく7つに分けられます。各精油には独特な様々な効能がありますが、この系統によって私たちに与える大まかな影響を分類できます。また、この系統は、精油をブレンドする際にも役立ちます。ブレンドするのにこれという決まりはありませんが、自分が必要としている種類を選んだり、相性の良いものをブレンドしていけば効果も高まります。

    7つの香りの相性

    ※ハーブ系 ⇔ 樹木系 ⇔ スパイス系 ⇔ 樹脂系 ⇔ オリエンタル系 ⇔ フローラル系 ⇔ 柑橘系 ⇔ ハーブ系 ⇔ は、相性が良いという意味です。

    〈注意点&免責事項:アロマセラピーは医療ではありません。ここに掲載されている内容は、精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。事故やトラブルに関しては責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。〉

  • 【ハーブ系】

    植物の花、葉から抽出された精油のグループです。民間薬をしても古くから使われているものが多いです。清涼感をもたらしたり、リラックスさせたり、様々な効能があります。
    ・精油一覧:アンゼリカ、クラリセージ、タイム、タラゴン、バジル、フェンネル、ペパーミント、マジョラム、ローズマリーなど。

  • 【樹木系(グリーン系)】

    樹皮、枝、葉などから抽出された、森林を思わせる香りのグループです。落ち着き、リフレッシュさせる効果があります。
    ・精油一覧:サイプレス、ジュニパー、ティートリー、ヒノキ、ユーカリ、ローズウッドなど。

  • 【スパイス系】

    料理の香辛料としても使われる、スパイシーな香りの精油グループです。刺激し、活性化してくれる働きがあります。
    ・精油一覧:コリアンダー、シナモン、ジンジャー、ブラックペッパー、ローレルなど。

  • 【オリエンタル系(エキゾチック系)】

    東南アジアや中東の植物から抽出された、エキゾチックな香りの精油グループです。個性があり、官能的な雰囲気を作り上げます。
    ・精油一覧:イランイラン、サンダルウッド、パチュリ、ベチバーなど。

  • 【フローラル系】

    主に植物の花から抽出される精油のグループです。葉や茎からも抽出されるものもあります。甘く華やかな香りが特徴で、癒しや安心感を与えてくれます。
    ・精油一覧:ジャーマンカモミール、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー、ローズなど。

  • 【柑橘系(シトラス系)】

    柑橘系の果実や、柑橘系の香りがする精油のグループです。万人に好まれる香りで使いやすいです。胃腸の調子を整える効能を持つものが多く、精神的には元気や楽観的な気持ちを与えてくれます。
    ・精油一覧:オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン、レモングラス、レモンバームなど。

  • 【樹脂系(バルサム系)】

    木の樹脂から抽出された、重く甘い香りの精油のグループです。粘度が高いです。心を落ち着かせて、深い部分とつながるのを助けます。
    ・精油一覧:ベンゾイン、フランキンセンス、ミルラなど。